それまで武道といえば、柔道や剣道といった技や攻撃をかけるという認識を持っていたので、合気道との出会いは衝撃的でした。

私の合気道との出会いは40歳でした。武道との関わりは小学校の低学年で剣道を習い、武道の基本である「礼に始まり礼に終わる」という、武道精神を学びました。当時は武道と言えば剣道、柔道、空手道など攻撃を基本とするものが、日本伝統の命を懸けて戦う武道だと考えていました。
合気道については名前は聞いていましたが、具体的な技については知りませんでした。まれに見るテレビでの映像には、相手を引き込むように身をかわし、投げる、締めるなどの技を繰り出す印象だけが残っていました。
キッカケは子供(娘)の精神育成の一環として合気道教室に通わせるために見学に行った時のことです。まさに目の前で、子供の頃に映像で見た相手に逆らわずに、相手の力を吸収して技を繰り出す光景がありました。
このとき既に40歳となり、通常のスポーツ界では現役引退を余儀なくされる年齢でしたが、稽古している方々は30代から50台の方までが一線級で稽古している姿に共感したことを覚えています。
実際に道場に通い始めると、ほとんどの人が昔柔道や空手などの武道経験者で、現役を続けるには体力が続かなくなり、それでもできる武道はないかと合気道にたどり着いたとのことでした。これは合気道が ”楽 ”ということではなく、精神力による気力の支配する影響が大きく、相手に逆らわず吸収して自分の力に転換するゆえに続けられるというものでした。
合気道は精神力を鍛錬するので、最低10年は続けないと身に付かないと言われるほど、他に比べて長い期間修練する武道です。年とともに衰える体力の変りに、内面的な気力を高めることにより、技に磨きとキレが備わる独特の武道なのです。